「お客様の想いをカタチに」
July / August 2026

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ここに向き合う二人の経営者。立場や経歴の違いを越えて、見えてきたのは「組織を前へ進める」という経営の本質だった。
「P×P talk」は、当社代表廣川信也が各界で活躍するリーダーと、ビジネスや人生について語り合う対談企画です。
今回の対談のゲストは、石堂硝子株式会社 代表取締役会長 石堂裕三氏です。家業との向き合い方や組織づくり、理念の浸透、次世代への承継までーー。
異なる歩みの先にたどり着いた「経営の本質」に迫ります。
石堂硝子株式会社
代表取締役会長
石堂裕三氏いしどう ひろぞう
1982年関西大学大学院修了後、化学品原料商社を経て1986年石堂硝子へ入社。1988年代表取締役社長、2022年代表取締役会長に就任。石堂硝子株式会社は化粧品容器に特化した企画製造販売会社で2026年で、100周年を迎える。
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結果として継いでしまうものでもある。
石堂 大学院修了後、「そろそろ働かなあかんなぁ」と化学品原料商社へ就職しました。しかし入社4年目で父が病を得て、実家に戻る決断をしました。継ぐためというより、”父の仕事を見届けるため”に戻った感覚です。それまでは「実家は硝子びん屋をやっている」くらいの認識しかなく、それではあまりにも「親不孝やな。」と思ったのでした。
廣川 僕は経営者一族ではありません。実家は神戸で工業薬品の卸売業を営んでいましたが、家業を継ぐ気はなく、大学でマーケティングを学び、卒業後は販促会社に就職しました。転機は29歳での結婚です。妻の実家である現在の会社に入社しましたが、当時は典型的な包装資材問屋で、販促の世界で育った僕にはまさに”水と油”の環境でした。ただ、「婿さんはやっぱり駄目だった」と言われるのだけは悔しかった。そこで義父だった当時の社長に「自分が売れるものを自由に売らせてほしい」と直談判し、展示会や新商品発表会などの企画・運営に奔走しました。
ホールの片隅に置かれた、組織の「伴走者」で同時に「伴奏者」でもありたいという石堂会長の思いが具現化されたグランドピアノの前で。
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石堂 当時は20人ほどの小さな会社でしたが、経験豊富なベテランと、いわゆる”若頭”的な若手社員が支えてくれました。もちろん、やりづらさが全くなかったわけではありません。ただ、私はもともと営業の才能があるわけでもなければ、強いカリスマ性を持った人間でもない。だからこそ、自分が先頭に立って引っ張るのではなく、「周囲の力をどう活かすか」を考えるようになりました。1985~1986年頃、化粧品業界では品質基準が急速に厳格化し始めました。私が社長に就任した1988年、その変化への向き合い方を巡って、ベテランと若手の間に少しずつ温度差が生まれてきたのです。先代である父は、押しつけることなく組織を導く理想的なトップダウン型の経営者でした。しかし私には同じことはできない。だから強いリーダーシップで方向を示すのではなく、それぞれの考えを尊重しながら落としどころを探る、”調停役”に徹しました。
私は昔から、自分の役割は”グラウンドキーパー”だと思っています。現場というグラウンドを整え、選手である社員たちが力を発揮しやすい環境をつくる。それが自分なりの経営だと考えてきました。
(左)入社当時の石堂会長/(右)竣工当時のリビングルーム(今回の対談場所)
廣川 僕の場合は少し違います。もともと販促やイベントの仕事を持ち込んだので、既存の先輩方とは仕事の領域が重ならなかった。ありがたいことに誰からも干渉されませんでした。ただ、その代わり相談相手もいなかった。今振り返ると、あの頃から「経営者は孤独なものだ」という感覚を少しずつ感じ始めていた気がします。社員には「協調性が大事や」と言っていますが、一番協調性がないのは、実は僕かもしれません(笑)。
吉田 お二人のお話を伺うと、どちらも典型的な「リーダーシップ発揮型」の経営者では無いように聞こえます。石堂さんは組織を支える”調停役”、廣川さんは新しい可能性を切り拓く”開拓役”。その役割は対照的ですが、共通しているのは、自分の資質を正しく理解し、その強みを活かしていることだと思いました。
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ショールームにある容器の一部
廣川 創業時の社名は「廣川紙店」でした。しかし紙の販売だけでは事業領域も利益構造も限られます。そこで紙器製造へ進出し、その後は紙という枠を超えてプラスチック製食品容器の製造へと広がりました。さらに、パッケージに入った商品を売り場でより魅力的に見せるための販促企画やマーケティング支援へと事業を拡張し、現在では「販促提案ができるパッケージメーカー」であり、「パッケージを武器にマーケティング提案ができる販促会社」という独自のポジションを築いています。もし今も「紙店」という名前を掲げていたら、僕たちは無意識のうちに事業の可能性を狭めていたかもしれません。だから未来へ進むために、あえて「紙」を捨てました。
吉田 非常に興味深いお話です。石堂さんは創業の精神を忘れないために「硝子」を残した。一方、廣川さんは未来の可能性を広げるために「紙」を捨てた。一見すると正反対の選択に見えます。しかし、その根底にある考え方は共通しています。どちらも社名を単なる看板としてではなく、経営戦略の一部として捉えているのですね。何を守り、何を変えるのか。どこから来て、どこへ向かうのか。その企業の歴史と未来への意思が最も凝縮されて表れるのが社名なのかもしれませんね。
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石堂 簡単ではありませんでした。私は前述したように”調停役”に徹しました。長年親しんできた硝子から樹脂へと主力素材が変わる中で、社員一人ひとりの思いや価値観を否定するのではなく、少しずつ方向を合わせながら組織の意識を変えていったのです。
廣川 当社にも似た課題がありました。ただ昔の当社は、部署同士を競わせる縦割りの組織でした。競争こそが成長の原動力という考え方です。しかし僕には、同じ会社の中にある価値が分断されているように見えました。パッケージ、容器、販促。それぞれが別々に動くのではなく、一体となって提案することで初めて生まれる価値がある。そのために部署を横断する「横串」の発想を持ち込みましたが、当時はほとんど理解されませんでした。結局、その構想は一度封印し、社長就任まで温め続けることになりました(笑)。
吉田 石堂さんは”人と組織を整える”ことで変化に対応し、廣川さんは”組織を組み直す”ことで新たな価値を生み出そうとされたのですね。
石堂 方法は違っても、根底にあったのは「このままではあかん」という危機感です。その危機感があるからこそ、人をまとめることもできるし、組織を変える決断もできる。変化の出発点は、いつの時代もそこにあるのではないでしょうか。
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納得感をもって「伝わる」ことには大きな違いがある。
吉田 創業者の名前を社名から外す可能性もあるということですね。それは大きな決断です。
石堂 だからこそ、社員にとって会社とは何かを改めて問い直したいと考えています。昨年から今年にかけてミッションとバリューを刷新し、15年前に策定した「It’s IG-way」というクレドも100周年を機に見直しをしています。また、その一環として百年史の制作も進めていますが、嬉しいことに入社20年前後の社員たちが中心となり、「自分たちでやりたい」と手を挙げてくれました。7~8名のチームをつくり、社内ワークショップを重ねながら主体的に進めてくれているんです。
スタッフミーティング
石堂 以前、顧客から「石堂硝子さんの社員さんは”やらされている感”がまったくありませんね」と言われたことがあります。経営者として本当に嬉しい言葉でした。会社の歴史をまとめることも、上から与えられた仕事ではなく、「自分たちで会社をつくっていこう」という意識の表れです。社員が当事者として未来を考え始めたとき、理念は初めて”伝わる”ものになるのだと思います。
吉田 経営者は理念や方針を語ることができます。しかし、本当に大切なのは、その言葉が社員の心に届き、自分ごととして受け止められることなのですね。
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石堂 化粧品容器の役割は、店頭でお客様に商品を手に取っていただき、レジまで運んでもらうことです。つまり、化粧品の第一印象を決めるのは容器です。見た目で興味を持ち、裏面の成分や効能を確認する。そのとき容器と中身の印象がずれていると、商品は棚に戻されてしまいます。だから容器は単なる入れ物ではありません。商品の価値や魅力を正しく伝えるための重要なコミュニケーションツールなのです。
石堂硝子の企画開発した容器たち
石堂 ただ現実には、顧客の要望を聞くこと自体が目的になってしまうことがあります。「言われた通りにつくらなければならない」というプレッシャーの中で、間違いなく納品することばかりに意識が向いてしまう。でも本来は違うと思うんです。顧客がやりたいことを聞いた瞬間に心が震え、思わず手伝いたくなる。そんな気持ちから始まるものづくりであってほしい。私は社員に「顧客の企みの共犯者になれ」と伝えています。
新入社員が作った化粧品容器
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石堂 創作の「創る」ですね。
廣川 当社もそれが悩みどころだったんですが、最近では少しずつ「創る」(つまり自分で創造したもの)を、「作る」(つまり量産まで持ち込める)メンバーがかなり増えてきています。
廣川 そのお話を聞いていると、先ほどご自身を「グラウンドキーパー」と表現された意味がよく分かります。グラウンドキーパーは決して主役ではありません。しかし選手たちが最高のパフォーマンスを発揮できる環境を整える、とても重要な役割です。僕はその逆で、自分のことを経営者というより企画プロデューサーだと思っています。今は「会社」という作品を客観的にプロデュースしている感覚です。だからこそ、石堂さんの人間味あふれるお話や、後ろから全体を支える姿勢に魅力を感じるのかもしれません。
石堂 ありがとうございます。でも私は特別なことをしているつもりはありません。自分自身の標語は「率先炊飯」です。本来、「率先垂範」はリーダーが先頭に立ち、自ら模範を示すという意味です。しかし私は少し違う解釈をしています。率先して自分のできることをする。みんなのためになるのであれば、ご飯炊きでもゴミ拾いでも何でもやる。前に立つことよりも、社員が力を発揮できる環境を整えることの方が大切だと思っているんです。
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「持つ強み」と「持たない強み」の組み合わせが、
競争力の源泉。
石堂 当社は創業以来、一貫してファブレス生産を基本としてきました。一部海外から容器を調達することもありますが、中心となるのは長年お付き合いしてきた国内の仕入先や協力工場です。よく「商いは牛の涎(よだれ)」と言いますが、まさに当社の経営そのものです。長い時間をかけて信頼関係を築いてきたからこそ、急な市場変化や顧客の要望にも柔軟に対応できる。設備を持たないからこそ、特定の素材や生産方式に縛られず、その時々で最適な選択肢を提案できることが強みだと思っています。
吉田 製品の企画・開発と販売は自社で担い、製造は外部の専門企業と連携する。まさに付加価値の高い領域に経営資源を集中させるスマイルカーブ型の経営ですね。
廣川 当社は自社生産とファブレス方式の両方を活用しています。どちらか一方を選ぶのではなく、それぞれの強みを生かす考え方です。例えば食品が直接触れる一次包装は、「安心・安全」が最優先です。そのため、自社工場で原材料の受け入れから製造、検査、出荷までを一貫して品質管理を徹底しています。また、外部協力工場で生産する場合でも、当社の管理基準に準拠した運営で進めています。一方で、紙器や販促ツールなどの二次包装資材は、多品種・小ロット対応や表現手法の多様性が求められます。そこで国内外の協力工場ネットワークを活用し、素材や設備に縛られないファブレス生産体制を構築しています。僕たちはこれを「持つ強み」と「持たない強み」と呼んでいます。品質や安全性が競争力の源泉となる領域は自ら持つ。一方で、多様性や柔軟性が求められる領域は、あえて持たない。重要なのは、自社生産かファブレスかを選ぶことではなく、どこを自社の強みにし、どこをパートナーの強みに委ねるかを見極めることだと思います。
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石堂 私と同じやり方を、そのまま引き継ぐ必要はないと思っています。むしろ次の世代には、自分たちなりの答えを見つけてほしい。願うのは、社員一人ひとりが気持ちよく働き、その結果として生産性も高まる組織になることです。
吉田 いわゆるウェルビーイング経営ですね。
石堂 そうですね。楽をすることと幸せになることは違います。大切なのは「社員の幸福」と「企業の成長」を両立させること。それができなければ、組織は持続しません。
廣川 僕も皆に”楽”をする人ではなく”楽”をつくる人になってほしいと語ります。自分だけが”楽”をするのではなく、仲間や顧客に楽しさや価値を提供する。その積み重ねが自分と会社の成長につながっていくのだと思います。
石堂 結局のところ、「会社を続けること」自体を目的にしてはいけないのでしょう。次世代に引き継ぐべきものは、会社という器ではなく、変化に向き合い、自ら考え、答えを出し続ける力だと思います。
吉田 「考え続ける力」。まさに今回の対談を象徴する言葉ですね。本日はありがとうございました。
100周年記念パーティの全体写真
石堂 裕三(いしどう ひろぞう)氏
〒537-0014
大阪府大阪市東成区大今里西1-9-12
オフィシャルサイト:https://ishido-glass.co.jp/(外部リンク)
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育児と家事の両立を支えるトレイ。社会課題を形状設計で解決!
(エースパック事業部)
本体とフタが一体化した、扱いやすい保存容器。丸みのある形状と仕切りで、複数種類の保存と取り出しやすさに配慮
気分で選ぶ、肌で選ぶ。CHEF de BEAUTÉが選んだEasySnap®

CHEF de BEAUTÉ kyoto (京都市中京区)
「その日の状態や気分に合わせて、複数の種類を気軽に試してほしい」——そんな想いから、廣川株式会社のEasySnap®が採用されました。EasySnap®は、1回分を適量で取り出せる利便性と、美しいパッケージデザイン、心地よい開封感を両立。使うたびにブランド体験を高める個包装パッケージです。廣川株式会社は、新商品や新ブランドの立ち上げにおけるブランド価値や思いの訴求に向けて、パッケージや販促資材を通じて、消費者へ届ける提案を行っています。(パッケージ事業部)
【お店情報】CHEF de BEAUTÉ kyoto(シェフドボーテ京都)
住所:〒604-8065 京都府京都市中京区麩屋町六角下ル坂井町473 Meiji 1010 1F
アクセス:阪急京都河原町駅 徒歩約6分、阪急烏丸駅/地下鉄四条駅 徒歩約8分
営業時間:11:00~19:00
定休日:火・水 ※祝日除く
サイト:https://chef-de-beaute.com/(外部リンク)
店頭体験をご自宅へ持ち帰る、CHEF de BEAUTÉ の体験キットデザイン
“パキッ”と心地よく開封できるEasySnap®使用
食べた後も続く、ブランドとつながるグッズはいかがですか?
廣川株式会社では、単なる販促グッズの製作にとどまらず、商品価値を高め、ブランドのファンづくりにつながる企画提案を行っています。※オリジナルミニチュアチャームの配布はなくなり次第終了です。(プロテック事業部)
細部まで精巧に再現したデザインで、コレクション性も向上(左写真:(左)実物商品 / (右)オリジナルミニチュアチャーム)。看板商品の魅力を、持ち歩きたくなるミニチュアチャームに
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世界の包装業界では、100年以上にわたり成長を続ける企業も少なくない
■年間購読料60,000円(消費税別)
■発行元:株式会社パッケージング・ストラテジー・ジャパン
〒215-0017 川崎市麻生区王禅寺西3-3-11
代表者:森 泰正
TEL : 080-2140-7508
Eメール: moriy.psjp02@gmail.com
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ゲラン(Guerlain)
世界的に有名なフランス発のフレグランスメゾンである「ゲラン」のガラスボトルの表面には、なんと無数の「蜂」があしらわれているのです。これは、19世紀、フランスの皇后ウジェニーのために作られた香水「オー・ド・コロン・インペリアル」のボトルに、皇帝ナポレオン三世の象徴である「蜂」が刻まれたことがきっかけです。以来、蜂はゲランとフランスの品格を「そっと伝える」アイコンとして、長く受け継がれてきました。
記事の続きは「パケトラ」でチェックしてみてください。
(外部リンク)
香水の国フランスで発見!思わず「二度見」するフレグランスの美ボトル
ライター:大内聖子(SEIKO OUCHI)
重厚な店舗ファサードは歴史を感じる佇まいと、無数の「蜂」があしらわれた美しいガラスボトル
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手土産需要を高める、『熱海プリン』の親しみやすいパッケージ
住所:〒413-0011 静岡県熱海市田原本町3-14
TEL:0557-81-0720
営業時間:10:00~18:00
定休日:なし
サイト:https://www.atami-purin.com/(外部リンク)
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食品・ギフト包装に新しい選択肢
ワックスペーパーで機能性と風合いを両立

人気の純白紙タイプ(左)と未晒クラフト紙タイプ(右)
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名古屋の喫茶店の味。大人気お弁当ランチ
FANNY(ファニー)
住所:〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内2-18-32 カーサ丸ノ内 1F
TEL:052-203-8002
営業時間:月~金 07:30~17:00 / 18:00~23:00、
土 07:30~15:00 / 18:00~23:00
定休日:日・祝日
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