2026年07月24日 P&PtimesP&Ptimesバックナンバー

100年企業の流儀 -次代へつなぐ経営判断- | P&Ptimes vol.37


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P&Ptimes

vol.37
July / August 2026

パッケージ&プロモーションを手がける会社が発信するP&Ptimes_vol.37 | 石堂硝子株式会社 代表取締役会長  石堂 裕三氏

Topic
1
P×Ptalk

第16回 廣川信也 × 石堂裕三氏
ここに向き合う二人の経営者。立場や経歴の違いを越えて、見えてきたのは「組織を前へ進める」という経営の本質だった。

P×P talkとは?
「P×P talk」は、当社代表廣川信也が各界で活躍するリーダーと、ビジネスや人生について語り合う対談企画です。

今回の対談のゲストは、石堂硝子株式会社 代表取締役会長 石堂裕三氏です。家業との向き合い方や組織づくり、理念の浸透、次世代への承継までーー。
異なる歩みの先にたどり着いた「経営の本質」に迫ります。


石堂裕三氏

PROFILE
石堂硝子株式会社
代表取締役会長

石堂裕三氏いしどう ひろぞう
1982年関西大学大学院修了後、化学品原料商社を経て1986年石堂硝子へ入社。1988年代表取締役社長、2022年代表取締役会長に就任。石堂硝子株式会社は化粧品容器に特化した企画製造販売会社で2026年で、100周年を迎える。


column
01

家業は、継ぐと決めるものではなく、
結果として継いでしまうものでもある。

吉田 お二人は年齢も近く、同じ「容器」の業界に身を置かれています。境遇にもどこか共通点があるように感じます。まずは、それぞれが会社に入られた経緯からお聞かせください。
石堂 大学院修了後、「そろそろ働かなあかんなぁ」と化学品原料商社へ就職しました。しかし入社4年目で父が病を得て、実家に戻る決断をしました。継ぐためというより、”父の仕事を見届けるため”に戻った感覚です。それまでは「実家は硝子びん屋をやっている」くらいの認識しかなく、それではあまりにも「親不孝やな。」と思ったのでした。
廣川 僕は経営者一族ではありません。実家は神戸で工業薬品の卸売業を営んでいましたが、家業を継ぐ気はなく、大学でマーケティングを学び、卒業後は販促会社に就職しました。転機は29歳での結婚です。妻の実家である現在の会社に入社しましたが、当時は典型的な包装資材問屋で、販促の世界で育った僕にはまさに”水と油”の環境でした。ただ、「婿さんはやっぱり駄目だった」と言われるのだけは悔しかった。そこで義父だった当時の社長に「自分が売れるものを自由に売らせてほしい」と直談判し、展示会や新商品発表会などの企画・運営に奔走しました。
グランドピアノの前に並ぶ二人の経営者ホールの片隅に置かれた、組織の「伴走者」で同時に「伴奏者」でもありたいという石堂会長の思いが具現化されたグランドピアノの前で。
吉田 お話をうかがうと、お二人とも最初から「家業を継ぐ」と決めていたわけではありませんね。石堂さんはお父様の仕事を見届けたいという思いから、廣川さんは自らの存在価値を証明したいという意地から、その世界へ飛び込まれた。そこにあったのは使命感というよりも、むしろ葛藤や覚悟だったのかもしれないですね。
家業とは、最初から継承を前提に選ぶものではなく、人生の転機や偶然の積み重ねの中で、気がつけば背負っているもの。だからこそ、その歩みには人それぞれの物語があるのだと感じました。(吉田)

column
02

経営は、自分の資質に合ったスタイルで進めればいい。

吉田 石堂さんが入社した当時、周囲は先輩やベテラン社員ばかりだったと思います。仕事の進めづらさはありませんでしたか。
石堂 当時は20人ほどの小さな会社でしたが、経験豊富なベテランと、いわゆる”若頭”的な若手社員が支えてくれました。もちろん、やりづらさが全くなかったわけではありません。ただ、私はもともと営業の才能があるわけでもなければ、強いカリスマ性を持った人間でもない。だからこそ、自分が先頭に立って引っ張るのではなく、「周囲の力をどう活かすか」を考えるようになりました。1985~1986年頃、化粧品業界では品質基準が急速に厳格化し始めました。私が社長に就任した1988年、その変化への向き合い方を巡って、ベテランと若手の間に少しずつ温度差が生まれてきたのです。先代である父は、押しつけることなく組織を導く理想的なトップダウン型の経営者でした。しかし私には同じことはできない。だから強いリーダーシップで方向を示すのではなく、それぞれの考えを尊重しながら落としどころを探る、”調停役”に徹しました。
私は昔から、自分の役割は”グラウンドキーパー”だと思っています。現場というグラウンドを整え、選手である社員たちが力を発揮しやすい環境をつくる。それが自分なりの経営だと考えてきました。
(左)入社当時の石堂会長/(右)竣工当時のリビングルーム(今回の対談場所)(左)入社当時の石堂会長/(右)竣工当時のリビングルーム(今回の対談場所)
吉田 経営者というと、強烈なリーダーシップで組織を引っ張る存在を思い浮かべがちですが、石堂さんはむしろ「場を整える経営者」だったのですね。
廣川 僕の場合は少し違います。もともと販促やイベントの仕事を持ち込んだので、既存の先輩方とは仕事の領域が重ならなかった。ありがたいことに誰からも干渉されませんでした。ただ、その代わり相談相手もいなかった。今振り返ると、あの頃から「経営者は孤独なものだ」という感覚を少しずつ感じ始めていた気がします。社員には「協調性が大事や」と言っていますが、一番協調性がないのは、実は僕かもしれません(笑)。
吉田 お二人のお話を伺うと、どちらも典型的な「リーダーシップ発揮型」の経営者では無いように聞こえます。石堂さんは組織を支える”調停役”、廣川さんは新しい可能性を切り拓く”開拓役”。その役割は対照的ですが、共通しているのは、自分の資質を正しく理解し、その強みを活かしていることだと思いました。
経営者は必ずしもカリスマである必要はありません。前に立って旗を振る人もいれば、後ろから組織を支える人もいる。大切なのは、理想の経営者像を演じることではなく、自分らしいスタイルを見つけることなのだと感じました。(吉田)

column
03

社名は、その企業の「哲学」と「未来への意思」を映す鏡。

吉田 社名についてお聞かせください。石堂さんの会社は、素材名である「硝子」を社名に掲げておられますね。
ショールームにある容器の一部ショールームにある容器の一部

石堂 当社は長年、硝子びんを扱ってきました。硝子は単なる商材ではありません。会社の歴史そのものであり、先人たちが築いてきた誇りの象徴です。しかし1970年代、樹脂容器の取り扱いを始めたことで会社は大きく成長しました。硝子への思い入れはもちろんありましたが、時代の変化を拒むつもりはありませんでした。かつて化粧品は高級品であり、容器の主役は硝子びんでした。今でもヨーロッパでは香水容器に硝子が多く使われています。しかし日本では訪問販売の拡大に伴い、軽量で持ち運びやすい樹脂容器へと市場が移行しました。さらにPL法の施行によって、割れるリスクを持つ硝子びんは急速に減少していきます。製造現場も大きく変わりました。かつては手作業中心で一日数千本の生産が限界でしたが、自動化によって数万本単位の生産が可能になった。その結果、特定化粧品メーカー向けだけでは設備を活かしきれなくなり、当社が金型費用を負担して汎用容器を開発し、複数の企業へ供給するビジネスモデルへと進化しました。変わったのは素材であって、使命ではありません。私たちは「硝子びんを売る会社」ではなく、「時代が求める最適な容器を提供する会社」です。だから素材は変えても、本質は変えなかった。その意思を忘れないために、今も社名に「硝子」を残しています。

吉田 なるほど。変化の中でも原点を残したわけですね。一方で廣川さんの会社名は非常にシンプルです。
廣川 創業時の社名は「廣川紙店」でした。しかし紙の販売だけでは事業領域も利益構造も限られます。そこで紙器製造へ進出し、その後は紙という枠を超えてプラスチック製食品容器の製造へと広がりました。さらに、パッケージに入った商品を売り場でより魅力的に見せるための販促企画やマーケティング支援へと事業を拡張し、現在では「販促提案ができるパッケージメーカー」であり、「パッケージを武器にマーケティング提案ができる販促会社」という独自のポジションを築いています。もし今も「紙店」という名前を掲げていたら、僕たちは無意識のうちに事業の可能性を狭めていたかもしれません。だから未来へ進むために、あえて「紙」を捨てました。
吉田 非常に興味深いお話です。石堂さんは創業の精神を忘れないために「硝子」を残した。一方、廣川さんは未来の可能性を広げるために「紙」を捨てた。一見すると正反対の選択に見えます。しかし、その根底にある考え方は共通しています。どちらも社名を単なる看板としてではなく、経営戦略の一部として捉えているのですね。何を守り、何を変えるのか。どこから来て、どこへ向かうのか。その企業の歴史と未来への意思が最も凝縮されて表れるのが社名なのかもしれませんね。
社名とは単なる呼称ではない。それは企業の哲学であり、未来への宣言である。だからこそ社名を見れば、その会社の本質が見えてくるのだと感じました。(吉田)

column
04

組織の調整と組み直しが、企業の価値を高める。

吉田 そうした事業領域の変化に対して、当時の社員の皆さんの理解や賛同は得られたのでしょうか。
石堂 簡単ではありませんでした。私は前述したように”調停役”に徹しました。長年親しんできた硝子から樹脂へと主力素材が変わる中で、社員一人ひとりの思いや価値観を否定するのではなく、少しずつ方向を合わせながら組織の意識を変えていったのです。
廣川 当社にも似た課題がありました。ただ昔の当社は、部署同士を競わせる縦割りの組織でした。競争こそが成長の原動力という考え方です。しかし僕には、同じ会社の中にある価値が分断されているように見えました。パッケージ、容器、販促。それぞれが別々に動くのではなく、一体となって提案することで初めて生まれる価値がある。そのために部署を横断する「横串」の発想を持ち込みましたが、当時はほとんど理解されませんでした。結局、その構想は一度封印し、社長就任まで温め続けることになりました(笑)。
吉田 石堂さんは”人と組織を整える”ことで変化に対応し、廣川さんは”組織を組み直す”ことで新たな価値を生み出そうとされたのですね。
石堂 方法は違っても、根底にあったのは「このままではあかん」という危機感です。その危機感があるからこそ、人をまとめることもできるし、組織を変える決断もできる。変化の出発点は、いつの時代もそこにあるのではないでしょうか。
企業価値を高めるのは、必ずしも新しい商品や設備だけではありません。人と人をつなぎ直し、組織の力を再編集することもまた経営の重要な役割なのだと感じました。(吉田)

column
05

一方的に「伝える」ことと、
納得感をもって「伝わる」こと
には大きな違いがある。

吉田 石堂硝子さんは今年で創業100年を迎えられます。その大きな節目に立ち、次の時代に向けた変化についてはどのようにお考えですか。
石堂 一つは社名の見直しです。先ほどお話ししたように、”硝子”という言葉には当社の哲学が込められていますし、”石堂”という名前にも創業家の歴史があります。しかし次の100年を見据えたとき、それらに頼らなくても存在価値を発揮できる会社にならなければならないと思っています。
吉田 創業者の名前を社名から外す可能性もあるということですね。それは大きな決断です。
石堂 だからこそ、社員にとって会社とは何かを改めて問い直したいと考えています。昨年から今年にかけてミッションとバリューを刷新し、15年前に策定した「It’s IG-way」というクレドも100周年を機に見直しをしています。また、その一環として百年史の制作も進めていますが、嬉しいことに入社20年前後の社員たちが中心となり、「自分たちでやりたい」と手を挙げてくれました。7~8名のチームをつくり、社内ワークショップを重ねながら主体的に進めてくれているんです。
スタッフミーティングスタッフミーティング

廣川 それは素晴らしいですね。会社から指示されたのではなく、自発的に動いているわけですよね。当社も創業110年を超えますが、創業当時の資料が十分に残っているわけではなく、社員が必ずしも会社の歴史に強い関心を持っているとは言えません。もし同じことをやるなら、トップダウンで指示を出して進めることになるでしょうね。石堂さんの会社は、理念や想いを社員に”伝えている”だけではない。社員の中にしっかり”伝わっている”のだと思います。僕の場合、一方的に”伝えている”だけなのに”伝わっている”と思い込んでしまっている面があります。
石堂 以前、顧客から「石堂硝子さんの社員さんは”やらされている感”がまったくありませんね」と言われたことがあります。経営者として本当に嬉しい言葉でした。会社の歴史をまとめることも、上から与えられた仕事ではなく、「自分たちで会社をつくっていこう」という意識の表れです。社員が当事者として未来を考え始めたとき、理念は初めて”伝わる”ものになるのだと思います。
吉田 経営者は理念や方針を語ることができます。しかし、本当に大切なのは、その言葉が社員の心に届き、自分ごととして受け止められることなのですね。
「伝える」ことは経営者一人でもできます。しかし「伝わる」状態は、社員が自ら動き始めて初めて証明される。理念が組織の力に変わる瞬間とは、まさにそういうことなのだと感じました。(吉田)

column
06

サプライヤーは顧客の「企みの共犯者」であるべき!

吉田 ここまでは経営について伺ってきましたが、その考え方は実際の現場でどのように発揮されているのでしょうか。
石堂 化粧品容器の役割は、店頭でお客様に商品を手に取っていただき、レジまで運んでもらうことです。つまり、化粧品の第一印象を決めるのは容器です。見た目で興味を持ち、裏面の成分や効能を確認する。そのとき容器と中身の印象がずれていると、商品は棚に戻されてしまいます。だから容器は単なる入れ物ではありません。商品の価値や魅力を正しく伝えるための重要なコミュニケーションツールなのです。
石堂硝子の企画開発した容器たち石堂硝子の企画開発した容器たち
廣川 その考え方には100%共感します。当社のバリューである「ぴったり!を仕立てる」という考え方とまったく同じだからです。僕たちが考える「ぴったり!」とは、顧客の要望通りのサイズや形状を実現することではありません。それは”目に見えるぴったり”です。本当に大切なのは、商品やブランドの価値をどう消費者に伝えるべきなのかを顧客と一緒に考えること。つまり”目に見えないぴったり”を仕立てることにこそ価値があると思っています。
石堂 ただ現実には、顧客の要望を聞くこと自体が目的になってしまうことがあります。「言われた通りにつくらなければならない」というプレッシャーの中で、間違いなく納品することばかりに意識が向いてしまう。でも本来は違うと思うんです。顧客がやりたいことを聞いた瞬間に心が震え、思わず手伝いたくなる。そんな気持ちから始まるものづくりであってほしい。私は社員に「顧客の企みの共犯者になれ」と伝えています。
新入社員が作った化粧品容器新入社員が作った化粧品容器
吉田 「企みの共犯者」。実に魅力的な言葉ですね。私には、「企み」という言葉の中には、顧客が抱く”本当はこうしたい”や”こうありたい”という理想や願望が込められているように感じます。しかし現実には、予算や組織、前例や慣習など、さまざまな制約がそれを阻みますよね。だからこそ私たちサプライヤーには、依頼されたものを正確につくるだけではなく、その想いを汲み取り、一緒に実現方法を考える役割が求められているのではないでしょうか。「共犯者」という言葉には、単なる協力者や伴走者にはない遊び心と熱量があります。顧客以上にその企みにワクワクし、ときには背中を押しながら、新しい価値の実現に主体的に関わる存在ですね。
顧客の要望に応えるだけではなく、顧客の理想の実現に加担する。その覚悟と情熱こそが、私たちの提供価値であり、存在意義なのだと学びました。(吉田)

column
07

「率先垂範」よりも「率先炊飯」!?

吉田 ところで石堂さんがおっしゃる、ものづくりの「つくる」は、「作る」と「創る」のどちらなのでしょうか。
石堂 創作の「創る」ですね。
廣川 当社もそれが悩みどころだったんですが、最近では少しずつ「創る」(つまり自分で創造したもの)を、「作る」(つまり量産まで持ち込める)メンバーがかなり増えてきています。
石堂 そういう人材こそが顧客に本当の満足を届けられるのでしょうね。私は、顧客と同じ目線で一喜一憂することが大事だと思っています。ただ最近は、その感覚が少し薄れてきているような気がして、少し寂しく感じることもあります。仕事にはエンターテインメント性が必要です。みんなで同じジェットコースターに乗り、「わーわー」「きゃーきゃー」言いながら同じ景色を見る。そんな一体感や高揚感が、仕事にもあっていいと思うんです。若い頃はスタッフミーティングを盛り上げようと、いろいろな企画を考えました。ほとんどスベっていましたけどね(笑)。
廣川 そのお話を聞いていると、先ほどご自身を「グラウンドキーパー」と表現された意味がよく分かります。グラウンドキーパーは決して主役ではありません。しかし選手たちが最高のパフォーマンスを発揮できる環境を整える、とても重要な役割です。僕はその逆で、自分のことを経営者というより企画プロデューサーだと思っています。今は「会社」という作品を客観的にプロデュースしている感覚です。だからこそ、石堂さんの人間味あふれるお話や、後ろから全体を支える姿勢に魅力を感じるのかもしれません。
石堂 ありがとうございます。でも私は特別なことをしているつもりはありません。自分自身の標語は「率先炊飯」です。本来、「率先垂範」はリーダーが先頭に立ち、自ら模範を示すという意味です。しかし私は少し違う解釈をしています。率先して自分のできることをする。みんなのためになるのであれば、ご飯炊きでもゴミ拾いでも何でもやる。前に立つことよりも、社員が力を発揮できる環境を整えることの方が大切だと思っているんです。
石堂裕三氏

吉田 「率先炊飯」とは単なる言葉遊びではなく、主役を自分ではなく社員に譲り、自らは支える側に回るという覚悟の表れなのですね。
ふと隅に置かれたグランドピアノが目に入りました。石堂さんは顧客や社員にとっての「伴走者」であるだけでなく、「伴奏者」でありたいと願っている。その姿は、まるで静かに音楽を支えるピアノそのもののように感じられました。(吉田)

column
08

製造業は、自社生産だけにこだわる必要はない。
「持つ強み」と「持たない強み」の組み合わせが、
競争力の源泉。

吉田 石堂さんの会社の生産体制上の強みはどこにありますか。
石堂 当社は創業以来、一貫してファブレス生産を基本としてきました。一部海外から容器を調達することもありますが、中心となるのは長年お付き合いしてきた国内の仕入先や協力工場です。よく「商いは牛の涎(よだれ)」と言いますが、まさに当社の経営そのものです。長い時間をかけて信頼関係を築いてきたからこそ、急な市場変化や顧客の要望にも柔軟に対応できる。設備を持たないからこそ、特定の素材や生産方式に縛られず、その時々で最適な選択肢を提案できることが強みだと思っています。
吉田 製品の企画・開発と販売は自社で担い、製造は外部の専門企業と連携する。まさに付加価値の高い領域に経営資源を集中させるスマイルカーブ型の経営ですね。
廣川 当社は自社生産とファブレス方式の両方を活用しています。どちらか一方を選ぶのではなく、それぞれの強みを生かす考え方です。例えば食品が直接触れる一次包装は、「安心・安全」が最優先です。そのため、自社工場で原材料の受け入れから製造、検査、出荷までを一貫して品質管理を徹底しています。また、外部協力工場で生産する場合でも、当社の管理基準に準拠した運営で進めています。一方で、紙器や販促ツールなどの二次包装資材は、多品種・小ロット対応や表現手法の多様性が求められます。そこで国内外の協力工場ネットワークを活用し、素材や設備に縛られないファブレス生産体制を構築しています。僕たちはこれを「持つ強み」と「持たない強み」と呼んでいます。品質や安全性が競争力の源泉となる領域は自ら持つ。一方で、多様性や柔軟性が求められる領域は、あえて持たない。重要なのは、自社生産かファブレスかを選ぶことではなく、どこを自社の強みにし、どこをパートナーの強みに委ねるかを見極めることだと思います。
お二人のお話から見えてきたのは、「持つか持たないか」という二者択一ではなく、自社の価値が最も発揮される領域に経営資源を集中するという考え方です。すべてを自前で抱えることが強さだった時代から、強みは自ら持ち、それ以外は信頼できるパートナーと連携する時代へ。競争力の源泉は、何を持つかだけではなく、何を持たないかを決める勇気にもあるのだと学びました。(吉田)

column
09

継承すべきものは「考え続ける力」

吉田 お二人とも事業承継を視野に入れておられると思いますが、次世代にバトンタッチした先に、どのような未来を描いておられますか。
石堂 私と同じやり方を、そのまま引き継ぐ必要はないと思っています。むしろ次の世代には、自分たちなりの答えを見つけてほしい。願うのは、社員一人ひとりが気持ちよく働き、その結果として生産性も高まる組織になることです。
吉田 いわゆるウェルビーイング経営ですね。
石堂 そうですね。楽をすることと幸せになることは違います。大切なのは「社員の幸福」と「企業の成長」を両立させること。それができなければ、組織は持続しません。
廣川 僕も皆に”楽”をする人ではなく”楽”をつくる人になってほしいと語ります。自分だけが”楽”をするのではなく、仲間や顧客に楽しさや価値を提供する。その積み重ねが自分と会社の成長につながっていくのだと思います。
石堂 結局のところ、「会社を続けること」自体を目的にしてはいけないのでしょう。次世代に引き継ぐべきものは、会社という器ではなく、変化に向き合い、自ら考え、答えを出し続ける力だと思います。
吉田 「考え続ける力」。まさに今回の対談を象徴する言葉ですね。本日はありがとうございました。
創業家を継ぐかどうか、社名を残すか変えるか、自社でつくるか、協力会社とつくるか、お二人の選択は必ずしも同じではありませんでした。しかし、その根底には常に「今、本当に最適な答えは何か」を問い続ける姿勢がありました。時代が変わっても、自ら問いを立て、考え続ける。その姿勢こそが企業を進化させ、次の100年を切り拓く原動力になるのだと感じました。(吉田)
100周年記念パーティの全体写真100周年記念パーティの全体写真


石堂硝子株式会社
石堂硝子株式会社
代表取締役会長
石堂 裕三(いしどう ひろぞう)氏

〒537-0014
大阪府大阪市東成区大今里西1-9-12
オフィシャルサイト:https://ishido-glass.co.jp/(外部リンク)



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世界の包装業界では、100年以上にわたり成長を続ける企業も少なくない

責任編集 :株式会社パッケージング・ストラテジー・ジャパン 森 泰正
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パケトラ | pake-tra.com

香水の国フランスで発見!思わず「二度見」するフレグランスの美ボトル
パリの冬はカラッと晴れる日本の冬とは違い、雨が多く、どんよりとした空が広がっています。こうしてテンションが沈みがちな季節の中で、少しだけ楽しみなことがあります。それは、冷えた空気の中で「香水」が綺麗に香ること。フランスの人々にとっても、やはり暑い夏より冬に香水を楽しむことが多いようです。今回は、そんなフレグランスのボトルデザインをご紹介します。

ゲラン(Guerlain)

世界的に有名なフランス発のフレグランスメゾンである「ゲラン」のガラスボトルの表面には、なんと無数の「蜂」があしらわれているのです。これは、19世紀、フランスの皇后ウジェニーのために作られた香水「オー・ド・コロン・インペリアル」のボトルに、皇帝ナポレオン三世の象徴である「蜂」が刻まれたことがきっかけです。以来、蜂はゲランとフランスの品格を「そっと伝える」アイコンとして、長く受け継がれてきました。

記事の続きは「パケトラ」でチェックしてみてください。
(外部リンク)
香水の国フランスで発見!思わず「二度見」するフレグランスの美ボトル
ライター:大内聖子(SEIKO OUCHI)

重厚な店舗ファサードは歴史を感じる佇まいと、無数の「蜂」があしらわれた美しいガラスボトル重厚な店舗ファサードは歴史を感じる佇まいと、無数の「蜂」があしらわれた美しいガラスボトル


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手土産需要を高める、『熱海プリン』の親しみやすいパッケージ
熱海温泉から着想を得た「熱海プリン」は、じっくり蒸し上げたなめらかな口当たりと、どこか懐かしさを感じさせる味わいが魅力のご当地プリンです。その魅力をさらに引き立てている、温泉街・熱海のやさしく温かな雰囲気を感じさせる「牛乳瓶」をモチーフにしたパッケージも印象的です。「かばさん」が描かれたデザインは、思わず写真を撮りたくなるかわいらしさがあり、親しみやすい牛乳瓶型の容器とともに、観光客の記憶に残る存在となっています。持ち歩くだけでも目を引くため、SNSでの拡散にもつながっています。さらに、専用ボックス入りの「熱海プリンお得な6本セット」は手土産やギフトとしても選ばれやすく、パッケージそのものが、商品の付加価値を高めています。
熱海プリン
住所:〒413-0011 静岡県熱海市田原本町3-14
TEL:0557-81-0720
営業時間:10:00~18:00
定休日:なし
サイト:https://www.atami-purin.com/(外部リンク)
熱海プリンのパッケージ


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New Packnology

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食品・ギフト包装に新しい選択肢
ワックスペーパーで機能性と風合いを両立
今回ご紹介するのは、ワックス加工を施した紙を使用した包装資材です。紙素材でありながら耐水性・耐油性を備えており、ベーカリー商品や焼菓子、ドーナツ、揚げ物など、油分を含む食品の包装に適しています。ワックスペーパーならではのほどよい透け感やどこか懐かしさを感じさせる風合いも魅力で、食品包装はもちろん、雑貨やアパレル小物、ギフト包装など、見た目にこだわりたい用途にもおすすめです。一般的な紙製の包装資材では、油分の多い食品を入れた場合や、長時間使用した場合に油染みが発生することがあります。その対策として、これまではフッ素系の耐油紙や、OPP袋などのプラスチック包材が使われることがありました。しかし近年、包装資材を取り巻く環境は大きく変化しています。フッ素系材料については、環境や人体への影響が懸念され見直しの動きが進み、プラスチック包材についても、原材料価格の変動や調達・納期面での不安が課題となっています。これに対し、ワックスペーパーに使用されるパラフィンワックスも石油由来の素材ではありますが、ポリエチレンなどのプラスチック樹脂とは原料や製造工程が異なります。そのため、現時点では供給面で大きな問題はないとされています。こうした背景から、機能性と見た目の良さを兼ね備えた素材として、ワックスペーパーがあらためて注目されています。
ワックスペーパーの使用イメージ
人気の純白紙タイプ(左)と未晒クラフト紙タイプ(右)

ワックスペーパー自体は昔から食品包装などに使われてきたなじみのある素材ですが、これまでワックスペーパーを使用した角底袋では、製袋後にワックス加工を行う仕様も多く、一部に手作業を伴うことから、コストや生産性の面で課題がありました。今回ご提案する新しいワックスペーパー角底袋では、あらかじめ機械でワックス加工を施した紙を使用し、その後に製袋することが可能になり、生産性が向上したことで、従来よりも検討しやすい価格帯やリードタイムで対応できます。フルカラー印刷も問題なくできるため、ロゴやデザインを入れることで、店舗や商品の世界観を表現する包装資材としても活用できます。高級感やブランドらしさを演出できる包装を探している、現在使用しているOPP袋の調達に不安がある、フッ素系耐油紙からの切り替えを検討している、などのお悩みに対しワックスペーパー紙袋は機能性と美粧性を兼ね備えた包材としてご提案できます。ぜひ一度ご検討ください。



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廣川社員のオススメ情報

営業先のおいしいお店
名古屋の喫茶店の味。大人気お弁当ランチ
今回ご紹介するのは、愛知県名古屋市にある『FANNY』です。当社の名古屋営業所からも近く、おいしい定食が堪能できるお店です。『FANNY』はレトロな雰囲気が漂う喫茶店なのですが、ランチタイムには丸の内のサラリーマンで常に満席になります。特にイチ押しなのは「ファニー弁当」(税込850円)です。弁当箱に入って提供される変わったランチですが、中を開けるとかなり豪華で、エビチリや唐揚げ、玉子焼き、鯖やウインナーなどバラエティ豊かなおかずが所狭しと詰め込まれています。ボリュームも彩りも満点で、これらを850円で食べられるなんて信じられません!しかもおかずは日替わりで、どれもハズレなしの美味しさ。「今日は何が出るんだろう?」と毎日通うのが楽しみになるほどです! お近くにお越しの際は是非お立ち寄りください。

FANNY(ファニー)
住所:〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内2-18-32 カーサ丸ノ内 1F
TEL:052-203-8002
営業時間:月~金 07:30~17:00 / 18:00~23:00、
土 07:30~15:00 / 18:00~23:00
定休日:日・祝日
アクセス:地下鉄丸の内駅から徒歩5分(丸の内駅から159m)
駐車場:なし ※周辺コインパーキング多数あり

ファニー弁当

「FANNY」の外観


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今月のプレゼント
世界に1つだけの
オリジナルアクリルスタンド
をプレゼント!

今月は、「社長のアクスタ。™」を3名様にプレゼントします。
当社が新たな販促サービスとして開始した「社長のアクスタ。™」より、P&Ptimes特別企画として抽選で3名様にプレゼントいたします。今回は”社長限定”ではなく、どなたでも応募可能です。ご自身のお写真を使用した、世界に一つだけのオリジナルアクリルスタンドを制作いたします。
※「社長のアクスタ。」SNSアカウントへの掲載が可能な方
※写真を提供可能な方(ご自身の写真に限ります)
※全身もしくはバストアップをお選びください
※T.O.Pカードは付きません

「社長のアクスタ。™」のロゴとイメージ


是非ご応募くださいませ!応募締切:2026年9月30日(水)
※当選者の方にのみ当社よりご連絡を行います。

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