2025年12月16日 P&PtimesP&Ptimesバックナンバー

世代を知る若手発信の商品 | P&Ptimes vol.34


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パッケージとプロモーションで
「お客様の想いをカタチに」

P&Ptimes

vol.34
December 2025/ January 2026

パッケージ&プロモーションを手がける会社が発信するP&Ptimes_vol.34 | 株式会社アクタス 取締役会長 休山昭氏

Topic
1

P×Ptalk

第13回 廣川信也 × 休山昭氏
大量に作るのではなく、大切に作る。
P×P talkとは?
「P×P talk」は、当社代表廣川信也が各界で活躍するリーダーと、ビジネスや人生について語り合う対談企画です。
今回の対談のゲストは、株式会社アクタス 取締役会長 休山昭氏。インテリア・家具業界において圧倒的な存在感を放ち、日本を代表する「ライフスタイルカンパニー」へと進化を遂げ、上質な素材とデザインにこだわった「一生ものの道具」として多くの支持を集めるアクタス。「ブランドは仕事をさせるためにある」「20%の余白」、その言葉の真意に迫ります。

株式会社アクタス 取締役会長 休山昭氏

PROFILE
株式会社アクタス 取締役会長
休山昭氏きゅうやま あきら
1985年にアクタスに入社し、六甲山店店長、西日本営業本部長・執行役員、店舗事業本部長・取締役を経て、2008年に代表取締役社長CEOに就任。ヨーロッパを中心とした輸入家具ならびにオリジナル家具、テキスタイル、アパレル、インテリア小物全般の販売や、物販店に併設した本格レストラン、カフェの運営なども手掛ける。「衣食住」生活にまつわるすべてのカテゴリーを総合的に提案するライフスタイルカンパニーとして、「上質で、丁寧な暮らし」を様々な形態で届けている。

column
01
「この国を変える」覚悟がなければ、
事業も業界も変えられない
廣川 アクタス創業の経緯を教えてください。
休山 今から約60年前のこと。大阪・湯川家具の若手社員が、京都の国立近代美術館で開催された「ヨーロッパ・リビングアーツ展」に衝撃を受け、帰社するなり「こんな婚礼タンスを売っていてはダメです!」と当時の社長に直訴。その話を聞いた柔軟な発想をもつ社長はすぐさま会場へ足を運び、社員以上に感動。「出資は私がする。君たちで会社をつくりなさい」と若い社員の背中を押したそうです。その後、日本への供給に消極的な欧州の各メーカーとの交渉にも関わらず、何と約100社と契約を結んだのです。私たちはこれを「アクタス創業の奇跡」と呼んでいます。
廣川 なるほど。ここから「日本のモダンインテリア」は始まったのですね。そして1969年にアクタスの前身となる「ヨーロッパ家具・青山さるん」の開店で本格的にスタート。「ショップ」でなく、平仮名で「さるん」と名付けた感度の高さが印象的です。当時は政財界や著名人が顧客だったそうですね。
休山 当時は1ドル360円という圧倒的な円安。庶民には手が届かず限られた層しか買えない家具が中心だったので、「お金持ちだけじゃなく、一般の人々の暮らしも豊かにしたい」という思いもあり、高級路線とは別に、もっとカジュアルなものを求めました。その結果、スウェーデンで出会ったのがIKEA(以下、イケア)だったというわけです。
青山さるんの新聞広告
青山さるんの新聞広告
リビング・モダニティー展の図録
リビング・モダニティー展の図録

column
02
「禍福はあざなえる縄のごとし」イケアから学んだこと
対談中の廣川信也
廣川 ここでイケアについて触れておきます。多くの方は、かつてのイケアと現在の大型店舗のイケアを同じものと思いがちですが、実は1974年にアクタスがイケア・ジャパンを設立し、1984年に提携を解消して一度日本市場から撤退しているのですよね。
休山 そうです。今では「イケアを最初に日本に持ち込んだのはアクタス」と話すと、皆さん驚かれます。当時は百貨店催事での販売が中心で、わずか3日で億単位を売り上げるほどの活況ぶりでした。
廣川 紅白幕の前に婚礼家具が並ぶ時代に、北欧のスタイリッシュで実用的な家具は相当なインパクトだったでしょう。その後「イケア船橋」や日本最古のレンガ造りの小泉製麻工場跡地を活用した「イケアタウン六甲」も開業し、順調に見えた事業をなぜ撤退させたのでしょうか。
休山 イケアは世界最大の家具チェーンで素晴らしい企業ですが「つくり手の顔が見え、人生に長く寄り添うものを」という私たちの創業理念と、イケアの組み立て家具は相容れないと判断したのです。そこでイケアとの提携を解消して人々の人生に永く寄り添える品質の高い商品をオリジナルで開発することになりました。
廣川 大きな決断だったのですね。ただ、イケアとの出会いは、日本の住空間をカジュアルに、そして豊かにするというヒントを与えてくれたのですね。そしてその決別が、当時としては珍しかった家具小売業による自社開発への挑戦を後押しし、アクタスがインテリア業界の先駆者として歩み始める大きな転機となったわけですね。

column
03
必ずしも「上」からの管理が「下」を育てるとは限らない
廣川 少し、僕と休山さんとの出会いについて触れさせてください。僕の学生時代、学校からほど近い神戸・国道43号線沿いにある日本最古のレンガ倉庫を活かした「アクタス六甲」(旧イケアタウン六甲)は、僕にとって「今でもあれ以上洒落た商業施設はない」と思わせるほど印象的でした。休山さんは僕と同じ年で1985年入社ですが、あの施設がなければ就職していなかったとか?
休山 はい。友人と訪れた際、その佇まいがあまりにも感動的で言葉を失いました。それがきっかけです。
廣川 「神戸っ子」とご自身を表現されていますが、神戸という街が人生に影響していますか?
休山 港町・神戸は貿易やファッション、新しい文化が自然と入ってくる街で、私自身も海外への憧れを抱き、叶いませんでしたが留学を考えたこともありました。そこで社会人になってから、アクタスに転職する前にアメリカ横断の旅に出たのです。スラム街やグランドキャニオンの谷底で一夜を明かすなど無茶もしましたが、人生の転機になりました。アクタス入社時には「自分の人生を全てかけてこの会社を一流にする」と宣言しました。先輩たちからは「痛いやつ」と思われたでしょうけど(笑)。
廣川 僕が休山さんに初めてお会いしたのは、1980年代後半。「アクタス六甲」での店長時代。僕が、新車のプロモーションで、車を無償提供する代わりに商業施設に展示させていただくというバーター企画をお願いに伺いました。他の施設では即答を避けられ、後日「難しい」と断られることがほとんどでしたが、休山さんはその場で即断即決。その判断力と実行力もさることながら、現場に大きな裁量を与える会社の風通しの良さにも感銘を受けました。
休山 いや、それは風通しというより、現場が強かっただけなんです。本部があまり口出ししなかったおかげで、六甲と船橋の2店舗を黒字化できました。そしたら「お前、不採算部門を全部黒字にしろ」と言われてしまって(笑)。
廣川 なるほど。放任主義の親のほうが、子どもがしっかり育つ、みたいな話ですね。
休山 私たちの時代は、本部機能がまだ成熟していなかったので、時間無制限で好きにやらせてもらえた。成功も失敗もたくさん経験できました。
廣川 いい時代でしたね。そういえば「アクタス六甲」にもうひとつ思い出が。奥の倉庫で、埃をかぶった木製椅子をたまたま見つけその場で一目惚れ。驚くほど安く譲っていただきました。もう40年近くになります。塗装を何度か繰り返していますが今でも現役です。もしきちんと在庫管理されていたら、出会えなかった逸品。もっと買っておけばよかった(笑)。
廣川が一目惚れで購入した木製椅子廣川が一目惚れで購入した木製椅子

column
04
極限での体験は、人とブランドとの距離を縮める
廣川 あの赤レンガの印象的なモールも、1995年の阪神・淡路大震災で倒壊してしまうのですが、どんな心境でしたか?
休山 あの時、2つの「エモーショナル・エクスペリエンス(極限状態で、人とブランドとの間に生まれる絆)」という言葉の意味を実感しました。1つ目はスタッフから。家が倒壊して避難所等で不自由な生活を送っているにも関わらず、誰に言われるでもなく店が気になってみんな集まり、木端微塵に崩落した建物の屋根の下に見えている商品を泣きながら引きずり出しました。
結局、傷だらけでほとんど廃棄でしたが、自分たちの商品を愛しているから、体が自然に動いたんですよね。2つ目はお客様から。震災後、会社全体の売上の3分の1が吹き飛び、倒産も覚悟しました。が、通りすがりの方々から「早く復活してね」と声をかけられ、本社にも「買い換えるならまたアクタスの商品を」と電話が殺到し、近くで仮店舗を出したら、駅までの長蛇の列。まだ3月初旬の寒い中、並んでいただいたお客様に温かい飲み物を配ったことを今でもよく覚えています。あれは本当に感動的でした。アクタスという存在が、単なる家具店ではなく、人の暮らしにとって意味のある存在として受け入れられていたということに気付かせてくれた瞬間でした。

column
05
責任は外部に頼らず、社内出身者がもつべし!
廣川 アクタスは創業から2社への経営権譲渡後に、2008年に46歳で休山社長の誕生ですね。
休山 2008年にアクタスは赤字に転落します。前任の代表が責任をとって退任された後、親会社のコクヨから「社内から代表を立てねば本当の意味でのロイヤリティは生まれない」と言われ、私に白羽の矢が。当初2カ月断り続けましたが、親会社のトップに「アクタスはいつも責任をとるのが外部から来た社長ばかりで、中の人は責任を取らない」と叱られ、腹を括りました。妻に「失敗すれば会社も家族も危ない」と伝えると「もう決めてるんでしょ、しょうがないじゃん」と背中を押してくれ、覚悟が決まりました。
廣川 まさに「内助の功」ですね。
休山 ええ、泣き言ひとつ言わずに、です。そして大きかったのは会社を立て直すにあたってコクヨは一切口出しせず全権を任せてくれました。苦しい構造改革の後に徹底的に検証を行いながら積極的に行った投資が成功して財務は今、とても健全な状態です。

column
06
最も辛い仕事を、社長は他人任せにしてはいけない
廣川 社長就任後は順風満帆でしたか?
休山 いいえ全く。所信表明の2週間後にリーマン・ショックが直撃。業績回復のため、不採算店舗の閉鎖と派遣・パート・契約社員の方々を中心に人員整理することが社長としての最初の仕事でした。コクヨから「リストラ専門家を派遣する」と提案されましたが、「これは自分たちの責任」と、全店、私が説明に回りました。泣く方、怒る方…本当に辛い日々でした。けれど辞める直前、皆さんから「休山さんにこんな役回りをさせたくなかった」と手紙や言葉をもらい、毎日泣きながら仕事をしていました。
廣川 もし専門家に任せていたら、今のアクタスはなかったかもしれませんね。
休山 そう思います。きっと潰れていたでしょう。その後、創業40周年を機に、社史を編纂する「DNA of ACTUS」を含む5つのクロスファンクションチームが発足。疲弊していた社内に活気が戻り、創業精神も再確認され、「日本の住空間を豊かにする」という誇りと責任を胸に再び力強く歩み始めました。私は最初だけメンター的に関わりましたが、今では全てのプロジェクトは自主自走で運営されています。やはり、インハウスで(企業がコンサル等の外部に委託せずに)自ら動くことが大事です。
対談中の休山氏

column
07
ブランドは「仕事をさせる」ためにある
廣川 「ブランドに仕事をさせる」という言葉の意味は?
休山 33歳の頃の卸部門の黒字化の経験から出てきた言葉です。当時、卸部門は深刻な赤字で、家具店、百貨店、問屋等どこにでも商品が欲しいという先に、方針もなく単純に利益だけを上乗せして売るという、卸先にも当社にもメリットなく、消費者も満足しない「三方悪し」の状態でした。そこで、「三方良し」の実現に向けて、フランチャイズビジネスを考案。直営店のノウハウを活かし、商品だけでなく販売手法やインフラを含めた「ブランド全体」を提供する仕組みです。まずは小規模な”パパママショップ”からスタート。初年度は販路縮小で売上が半減しましたが、赤字は大幅に改善。最終的に卸部門は社内で最高の利益率を上げるまでに成長しました。「ブランドに仕事をさせた」結果です。
廣川 素晴らしいですね。そこにノウハウの提供を受ける側の素直で前向きな姿勢があったことも見逃せませんね?
休山 本当にその通りです。当時30代前半の若造の私が経営について偉そうに語る話に、家具店のオーナーや中小企業の経営者の皆さんが真剣に耳を傾けて下さり、何千万円という投資を快諾してくれたからです。ただ、いざ現場に入ると、「婚礼ダンス一竿百万円くらいで売れるのに、なんで百円の皿なんか売らなきゃいけないんだ!」という空気で、最初は誰も手を貸してくれませんでした。ですが、私の父が技術屋だったこともあり、職人気質の人たちとは自然と気が合いました。「ご苦労様です」と缶コーヒーを配って回ったりしているうちに皆さん手伝ってくれるようになり、さすがプロ、組み立ても速く正確。そうして少しずつ売り場を立ち上げていきました。
廣川 なるほど。「ブランドに仕事をさせる」という考え方は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを再建させた森岡毅さんの「ブランドとは自動的にモノが売れる仕組み」という考え方にも通じますね。強いブランドとは、多額の広告費を投じずとも、消費者が信頼し、自ら手に取ってくれる存在ですからね。当社が扱うパッケージも顧客のブランディングにつながらなければならない。ブランドの”表現者”になるようなパッケージをつくることが重要だと、ずっと会社で説いてきています。

column
08
事業の定義次第で、
「競合」を「共存」に変えることができる
廣川 家具単体から「生活丸ごと提案」への転換も興味深いですね。
休山 社長就任後、「家具屋」から「ライフスタイルカンパニー」への転換を図りました。市場を砂山に見立て、「アクタススタイル」という筒を垂直に差し込み、価格ではなく価値に共感する層だけに焦点を当てる。これが私の「砂山理論」です。家具、雑貨、テキスタイルに加え、カフェやグロッサリー、外出できる部屋着、グリーンなど、スタイルが一貫していれば何を提案してもいい。さらに、「モノ」だけでなく「時」と「場」も提供したいと思い、50周年の1919年には、バウハウスの史跡を巡るドイツへの旅を開催しました。また理想のホテルがないなら、自分たちでつくる。それも本気で考えています。
廣川 代表就任時点の調査では数あるインテリアブランドの中で「センスの良さ」と「親しみやすさ」を兼ね備えている点で突出していました。
VMD売り場の様子VMD売り場の様子
休山 イタリアブランドの多くがメーカーのショールームであるのに対し、アクタスは生活者視点で編集するセレクトショップ。イタリアの「センスの良さ」と北欧の「シンプルさ・温かさ」と日本の「丁寧で高品質」が融合されています。
廣川 編集意図が売場にしっかり表れているわけですね。
休山 そうです。アクタスの強みはスタイリング力。だから単品カタログから「スタイルブック」に切り替えました。
廣川 社長就任後、大型店やイケアの再上陸もありましたが…。
休山 むしろ歓迎でした。近隣に大型店ができても売上は伸び、商業集積地では競合店との共存で相乗効果も出ています。アクタスは「家具屋」でも「雑貨屋」でもないので、「ビームス」や「ユナイテッドアローズ」といったファッションブランドと同じフロアにも出店できます。
廣川 つまり、「家具屋」を「ライフスタイルストア」と再定義したことで、「競合」が「共存」に変わったということですね。

column
09
少子高齢化はビッグ・チャンス!
廣川 個人的には住宅は、新築よりリノベーションが好きです。耐震補強することで、蘇る魅力的な建物が日本にはたくさんあります。
休山 同感です。日本国内の空き家は数年後には3軒に1軒になるとも言われますが、人口が減っても国土は減らない。空き家が増えれば一人あたりの空間は広がり、インテリアへの関心も高まる。市場はむしろ拡大していくと前向きに捉えています。
廣川 生活者に向けて空間を活かせる良い提案があれば、お金も動きますよね。
休山 それはコロナ禍で実証されました。3カ月休業して赤字でしたが、10万円の給付金で一気に需要が戻りました。家で過ごす時間が増えれば、日本にも「住空間を豊かにする文化」が根づくと確信しています。

column
10
若年層顧客づくりを怠ってはいけない
廣川 過去の対談で、(株)ラウンドワンの杉野公彦氏は「子どもが成長すると親は来なくなる」と、また、(株)美十の酒井宏彰氏は「修学旅行で知った味やブランドも、再訪してもらわなければ忘れ去られてしまう」と話しておられました。つまり、「顧客」づくりではなく「生涯顧客」づくりが大切なのだと。
休山 全く同感です。20代でアクタスファンになってもらえれば、40~50年の関係が築けます。まさに「ライフタイムバリュー」(1人の顧客の一生涯に企業にもたらす利益)の最大化が課題です。私が入社した頃は供給側の論理で「狭いアパートに不釣り合いな大きな婚礼家具」の時代。そこで北欧デザインのオリジナル家具を開発し、省スペースで長く使える家具シリーズがアクタスの成長に繋がりました。
廣川 また大阪空港の店舗などは子ども向けが充実していますね。
休山 このコーナーがあることで「孫のために」と来店される方も多く、親子三世代の関係が築けます。また過去にお客様の住空間を提案した3Dデータの保存と活用により家族構成の変化に応じた提案をお客様へ継続して行うことが出来ます。
私たちが今、事業を好調に維持できているのは、20代のうちにお客様との接点を築けているからです。百貨店も今でこそインバウンドで持ち直しましたが、以前は苦境に立たされていました。若年層ではなく、外商の富裕層に頼りすぎた結果だと思います。とはいうものの、私たちも同じ課題を抱えています。かつてのコア世代だった20~30代前半向けの商品構成が、気づけばアッパー世代寄りになってしまっている。そこをもう一度、しっかり見直す必要があると感じています。しかし、40~60代の開発陣が中心だったら、若い世代には響かない。だからこそ、世代に合った感性や価値観を持つ若手が企画の中心に立つことが必要だと痛感しています。

column
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「80%で、いい」ではなく「80%が、いい」
休山 そこで「DOORs PROJECT」を立ち上げました。
廣川 名前の由来は?
休山 「次の未来の扉を、自分たちで開ける」という意味で、2020年に社内のミレニアル世代を中心に発足した社内横断チームで、その第一弾が「good eighty%」というブランドです。
廣川 どのようなブランドですか?
休山 私たちバブル世代は120%働くというのが常識。若いメンバーに「80%がおしゃれなのです」と言われ「じゃあ残りの20%はダラダラしてるんか」と尋ねたら、「20%の余白が独創性につながるんですよ」と。「なるほど…」と返す言葉がなかったですね(笑)。『お金は出すけど口は出さない』をルールにしています!失敗も含め経験ですから。もし許可制だったら何も生まれません。SNSとかをうまく使ったコミュニティづくりや外部の若手クリエイターとも自由に契約するなど生き生きと仕事しています。表テーマは「若い世代に響く商品づくり」、裏テーマは「人材育成」です。
廣川 20%の余白がいいですね。
「good eighty%」商品イメージ
「good eighty%」商品イメージ

column
12
社員や家族を、その企業の最大のファンにする
廣川 社員が子どもを会社に連れてくる「アクタスオープンデイ」という取り組みをしていますね。
休山 親の働く姿を見せ、職場を体験させると、自然と尊敬の念が芽生え、子どもは道を外しにくい。私も幼いころに父の職場に連れて行かれ、そこで働いている方から「お父さんはすごい」と言われた記憶が今も残っています。私が若いころ、やんちゃはしても一線を越えなかったのは、父の背中があったから。親を尊敬することは、本当に大切です。アクタスオープンデイに参加した子どもたちは「はじめての名刺」を作って会長や社長と名刺交換し、大はしゃぎしています。
廣川 また「アクタスらしさ」の社員間の共有が、書籍『123人の家』WEBコンテンツ『スタイルボード』に表れていると思うのですが。
休山 「共有」に時間をかけています。うちのクリエイティブ・ディレクターが、趣味で撮り溜めていた社員の家の写真を出版社の方が見て「本にしましょう」と。彼も嬉しくなり撮影を続け、最終的に123軒分集まり、「全部載せよう」と。こんな分厚い本、誰が買うねん!?と思っていたら、Amazonインテリア部門で1位になってしまいました(笑)。
廣川 すべて実際に暮らしている空間なんですよね。
休山 はい。彼は取材訪問時に「3分だけ片付けていいよ」と言いながらすぐ撮り始めるので、ほどよく生活感が残っていてリアルです。アクタス以外の家具も混ざっていますが、それもOK。見ていただければ分かりますが、みんな本当におしゃれ。この本はアパレル業界にも影響を与えました。今は環境配慮もあり、紙媒体からYouTubeの「アクタスルームツアー」に移行しています。
最初は「撮らせて」と言っても恥ずかしがられましたが、後半は皆が積極的に。今では「スタイルボード」も自発的に回っています。自宅で撮ってHPに載せたり、まさにアパレルの「スタッフスタート」のインテリア版。自分で演出し、SNSやECで発信すればフォロワーがついて販売にもつながるのでみんな楽しんでやっています。
廣川 『123人の家』や『スタイルボード』は、自己表現の場を与えることが最高の教育になるという好例で、パッケージ業界でも応用できると思います。

WEBコンテンツ「ACTUS STYLE BOARD」

WEBコンテンツ「ACTUS STYLE BOARD」
WEBコンテンツ「ACTUS STYLE BOARD」

書籍「123人の家」表紙
書籍「123人の家」
書籍「123人の家」見開き

column
13
ワーク・エンゲージメントの実現には、
上質な空間が必要(だと思う)
廣川 BtoB向けに、空間設計や家具・備品などを一括で提供するコントラクトビジネスも好調だとお聞きしていますが。
休山 はい。学校、劇場、ホテル、レジデンスなど幅広く取り組んでいます。麻布台ヒルズでは410戸分のキッチンや収納を手がけました。またアクタス本社では実際の職場を「ライブオフィス」として客様への提案空間にし、そこから商談にも繋げています。
ライブオフィスの様子
ライブオフィスの様子
廣川 「人・物・空間」が一体となった提案ですね。弊社も本社談話室のリノベーションにより、社内のコミュニケーションが劇的に活性化しました。個人的には、ワーク・エンゲージメントを高めるうえで上質なインテリアは不可欠だと感じています。さらに各生産工場でも、食堂や休憩室のリノベーションで社員の表情が変わりました。地方の製造現場や物流拠点は、車での自宅と勤務先との往復が主となるので、勤務先内でリラックスできる空間づくりは重要だと思います。
休山 大規模な設備投資に比べれば、比較的少ないコストで従業員満足度を高められるので企業は働く空間の改善に、積極的に取り組むべきですね。
廣川 地方の生産・物流拠点に向けての御社の提案に期待しています。
休山 欧米のオフィスやファクトリー空間はスタイリッシュで機能的。日本はかなり伸びしろがあると思います。
廣川 アクタスは環境面でも、家具業界の小売り初のゼロ・エミッションを実現したり、トレードインサービスを実施するなど、インテリアを扱うことで生じる社会的責任を最後まできちんと全うすることを宣言された素晴らしい企業ですね。本日は、長時間にわたり本当にどうもありがとうございました。

 

株式会社アクタス オフィス内
株式会社アクタス オフィス内
株式会社アクタス
取締役会長
休山 昭(きゅうやま あきら)氏〒160-0022
東京都新宿区新宿2-19-1 BYGS新宿ビル 12階
オフィシャルサイト:https://www.actus-interior.com/(外部リンク)

 


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連結部分に嵌合構造を採用(赤丸箇所)
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切り込みがあるので、小さな子供や、指先が不自由な高齢者や障害者でも、ハサミを使わずに簡単にパウチを開封できる。目を惹くカラフルなグラフィックスも魅力的だ。「EZ PB&J」パウチは「最優秀ビデオ」賞も受賞した。
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パケトラ | pake-tra.com

アメリカが考える、エナジードリンクの次の一手
日本でも人気の「レッドブル」や「モンスターエナジー」は、アメリカでもエナジードリンクの代表格です。私自身、日本では「ここ一番!」という時の気合い入れに、エナジードリンクを飲むこともありましたが、アメリカでは1缶あたりのサイズが大きく、飲みきれずに途中でギブアップしてしまうこともしばしば。人が満足する飲みきりサイズの設定も、国によって異なるのだなと感じます。さて、日米の違いは量だけではありません。ヴィーガン志向やメンタルケアといった新しいニーズに応える形で、エナジードリンクの世界も多様化が進んでいるようです。

Bloom(ブルーム)

これまで男性的な”強さ”が前面に出がちだったエナジードリンク市場に、女性インフルエンサーであるマリ・ルウェリンが新たな価値を提案したのが「Bloom」です。エナジー要素はそのままに、腸内環境をサポートするプレバイオティクスを配合しています。ゼロシュガー&低カロリーで、健康や美容に気を使う女性に嬉しい機能性を備えています。パール感のあるパッケージの優しい色合いや、フルーツ系フレーバーの軽やかな世界観も特徴的で、日常に無理なく取り入れられる「ウェルネス系エナジードリンク」として、女性に新しい選択肢を提案しています。

記事の続きは「パケトラ」でチェックしてみてください。
(外部リンク)アメリカが考える、エナジードリンクの次の一手
ライター: 菅木綿子(YUFUKO SUGA)

Bloomの商品パッケージ

 

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お取り寄せのパッケージ

厳選パケ買いスイーツ
贈る人の“おもてなし”の心をかたちにした、
華やかで高級感のあるパッケージ『千代ちょこ(12枚)』
「パレスホテル東京」は、都心に位置しながら緑と水に囲まれた穏やかな風景が印象的な品格のあるホテルです。今回ご紹介するのは、江戸千代紙や日本の伝統的な着物模様などをモチーフにした、厚さ約2mmのオリジナルショコラ「千代ちょこ(12枚)」です。「人と人との縁が永遠(千代)に続くように」という思いから作られた芸術品のようなショコラは、ショコラティエである小林 美貴さんが心を込めて1枚1枚手作りしています。
パッケージは少し高さのある2段構造になっています。そのパッケージを、ロゴが箔押しされた和紙で包んでおり、見た目からも手触りからも高級感と和を感じることができます。開ける時のワクワク感がたまらない「千代ちょこ(12枚)」を、ぜひ特別な日の贈り物として選んでみてはいかがでしょうか?

パレスホテル東京 ペストリーショップ「スイーツ&デリ」
住所:〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-1-1 B1F
https://www.palacehoteltokyo.com/(外部リンク)
「千代ちょこ(12枚)」の商品とパッケージ

 

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New Packnology

包装業界に関する最新技術の情報をお届けするニュー「パクノロジー」

高機能容器「Freshee」で食品の鮮度と美味しさを守る

Fresheeの構造とバリア層のラインナップ表
「Freshee」のイメージ画像
廣川株式会社は、2025年夏、多様化する食品業界のニーズに応えるべく高機能容器「Freshee(フレッシー)」を販売いたしました。
「Freshee」は、出来立ての美味しさを守り、鮮度保持と長期保存を可能にするトップシール専用の高機能なカップやトレイです。当商品は、複数の異なる種類の素材を重ね合わせる技術を活用し、中間層に酸素バリア性に優れた樹脂を配置した構造になっています(図1)。これにより容器外部からの酸素侵入を最小限に抑え、酸化を防いで鮮度を保ち高い保存性を発揮します。また、「Freshee」は耐熱・耐寒タイプもあり、冷凍保存から電子レンジ加熱、レトルト・ボイル殺菌まで対応可能な幅広いラインナップを取り揃えています(図2)。機能性だけでなく、環境にも配慮をしています。素材には再生原料を使用し、また、内容物の重さなどに合わせてオーバースペックとならないよう、適切な厚みの素材を提案しています。「Freshee」は、酸素による品質劣化の影響を受けやすい食品において、特にその効果を発揮します。即席米飯やデザート、惣菜、イクラなどの水産加工品用の容器に活用することで品質の劣化や風味低下を防ぎ、賞味期限を長く維持することができます。高機能と環境配慮を両立する「Freshee」を、この機会にぜひお試しください。(エースパック事業部)


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廣川社員のオススメ情報

営業先のおいしいお店
北欧と日本由来のインテリアとともに楽しむ
カジュアルフレンチ
今回ご紹介するのは、北欧と日本由来のインテリアとともに楽しむ食事を提供する「SØHOLM(スーホルン)」です。ここはサステナブルな食材を活かすレストランで、カジュアルフレンチ中心の料理を季節の素材を取り入れて提供しています。
ディナーでは、季節の野菜を使った前菜とともにメインではジビエ(訪問時はシカ肉)も味わえます。臭みもなく、ペアリングしたナチュールワインとも相性がぴったりで、ジビエ初心者の方でも美味しく頂くことができるのではないでしょうか。
提供しているナチュールワインは、食材に合わせてスタッフが提案してくれるので、料理にぴったりのワインを楽しむことができます。天王洲運河を目の前にした静かで落ち着きのあるレストランで、美味しい食事と居心地の良いゆったりとした時間をぜひ体感してみてください。

SØHOLM(スーホルン)
住所:〒140-0002 東京都品川区東品川2-1-3
TEL:03-5495-9475
営業時間:ランチ 11:00-16:00 (L.O.15:00)/ディナー 17:00-21:00 (L.O.20:00)
定休日:水曜日
アクセス:東京モノレール天王洲アイル駅から徒歩8分(約600m)、東京臨海高速鉄道りんかい線、天王洲アイル駅から徒歩10分(約650m)
駐車場:なし

SØHOLMの内観

SØHOLMの外観

 

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今月のプレゼント

ワールドシリーズ連覇を果たした
Los Angeles Dodgersの優勝記念Tシャツとキャップ

プレゼント!
今月は、2025年の記念Tシャツを3名様に、キャップを2名様にプレゼントします。

日本で3月に開幕戦が行われ、連日大盛り上がりだったMLBのワールドシリーズ。日本人3選手も所属するロサンゼルス・ドジャーズは昨年に引き続き大活躍を見せました。チーム初のワールドシリーズ連覇を果たした2025年の記念Tシャツを3名様に、キャップを2名様にプレゼントします。Tシャツとキャップどちらをご希望か選択の後、ご応募ください。
※TシャツはS/M/L各1枚です。
※キャップは1サイズです。

是非ご応募くださいませ!応募締切:2026年2月28日(土)
※当選者の発表は商品の発送をもってかえさせていただきます。ご応募はこちら

Los Angeles Dodgersの優勝記念Tシャツとキャップ